PIT STOP

Nürburgring 2015
Posted by | May 30, 2015

今年で43回目の開催を迎えるニュルブルクリンク24時間レース。その長い歴史においてターニングポイントともいえる、大きな変化が起こりました。世界で最も危険なサーキットといっても過言でないニュルブルクリンク・ノルドシェライフェ。

それゆえに何か大きなアクシデントが発生した際は、オーガナイザーがその案件をすみやかに精査し、即座に適切な安全措置が取られます。

昨年、同一ピットボックスのSP9(FIA GT3)車両の使用上限は2台までという措置が取られるようになったのも、直前のVLNで発生した火災事故を受けてのレギュレーション変更でした。今年のVLN1で発生したフルーグプラッツでのアクシデントでも、オーガナイザーを始めとする有識者の間で迅速な対応がとられました。その2週間後に開催されたニュルブルクリンク24時間の6時間予選レースではフルーグプラッツを始め、過去に重大なアクシデントが発生したエリアに速度制限や観客の立ち入り禁止措置が取られました。

エントリーするチーム、ドライバー、そしてまず第1に観客の安全を最優先に考慮した結果です。

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さまざまな規制はあるものの、結果としては留まることを知らないGT3カーの進化によりラップタイムは昨年を上回り、その魅力を削ぐことなく安全も確保されました。

今年も最強最速のチームが世界から集結しました。アウディは昨年の優勝チームのフェニックスレーシングとWRTに新型のアウディR8 LMSを託しました。サイボーグ感満載のディテールはモータースポーツファンの心をくすぐりますね。今年は試験的な先行投入のプランでしたが、VLN2でWRTが新型R8 LMSに早くも勝利をもたらしました。WRTは数年前まではベルギーの小規模なプライベーターでしたが、ブランパンGTシリーズで着実に結果を残しフェニックスレーシングに肉薄。ピットでの火災、GPコースでのスピン等のハプニングはあったものの、見事ニュルブルクリンク24時間レース初勝利を飾りました。

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フェニックスレーシングのドライバーの1人クリスチャン・マメロウは日本のスーパーGTにも参戦中。

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本人公認の「豆郎(マメロウ)」ステッカーをヘルメットに装着しているので、日本のスーパーGTファンはぜひチェックしてみてください。

メルセデスはいまだ現役のベルント・シュナイダーを実質のエースチームであるブラックファルコンに投入。脱落した左リアタイヤをドライバーが必至に戻そうとする劇的な映像に釘付けになった観戦者も多いと思います。

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そして各所で「このカラーリングカワイイ!」と大人気だったHARIBOレーシング。長年ポルシェのイメージが強かったのでマシンチェンジのインパクトは絶大でした。往年のDTMスターのウベ・アルツェンが加入。

BMWのセミワークス的存在のチームシューベルトはMarc VDSとのBMW同士の身内バトルがアツい。来年にはM6 GT3の投入が予定されているだけに、是が非でもZ4で勝利を飾りたかったはずです。シューベルトはアクシデントが続き下位に沈みましたが、Marc VDSは残り数時間で優勝争いに絡み2位フィニッシュ。

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初参戦のベントレーはワークス2台、カスタマー1台の3台体制でエントリー。ワークスの1台85号車は1930年に開催されたブルートレインレースで勝利してから今年で85周年となることを記念したメモリアルカラーを施しました。その巨体を揺さぶりながら走る姿は圧巻。

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アストンマーチンはSP9に2台、ロードカーのGT12ベースのレースカーを2台、さらにGT4車両で大量エントリー。

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今年、山内さんはレースにエントリーしませんでしたが、グランツーリスモラウンジにはルーカスを始めとしたGTアカデミーにまつわる多くのドライバーが集まりました。

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GTアカデミーはルーカスがTeam RJN 35号車、フローリアンがチームシュルツ 21号車をドライブ。2015年型GT-Rを投入したRJNと旧スペックながらニュルブルクリンクでの実践走行経験で勝るシュルツ。新型ゴジラvs旧型ゴジラともいえる対決を我々は偶然カルッセルで目の当りにしました。

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この勝負は遅い周回遅れに詰まりつつもイン側を選択したシュルツの勝利。最終的にチームシュルツは残り数分というところでミッショントラブルでストップしてしまいましたが完走扱いの19位。Team RJNは大きなミスもなく9位でフィニッシュ。

ニュルブルクリンク最強のマンタイレーシングのメインプロジェクトがWECへ移行しているため、ここ数年はカスタマー支援に留まるポルシェ。昨年4位と表彰台まであと一歩のファルケンポルシェはついに表彰台に上りました。ここ数年、上位フィニッシュを遂げるマシンは比較的綺麗な状態(危機を回避してきた)が多かったのですが、今年のファルケンポルシェは古きよきニュルブルクリンクらしい満身創痍の状態。レースの魔物に捕まる一歩手前の状態でした。

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ニュルブルクリンク最速の女性ドライバー、サビーネ・シュミッツとパトリック・フイスマンのお馴染みのコンビにヨルグ・ベルグマイスター、パトリック・ピレが加わりワークス体制と遜色ないライナアップでしたが、深夜にクラッシュ、リタイヤを喫しました。

サビーネは今年、ニュルブルクリンク24時間耐久レースのサポートレースとして初開催されたWTCCにもWエントリー。超軽量FFマシンがノルドシェライフェを駆け抜ける姿は圧巻。24hレイアウトをスタンディングスタートし、1レースを約26分(3周)で周回してくる恐ろしいカテゴリーです。

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記念すべき初代ノルドシェライフェウィナーはシトロエンのホセ・マリア・ロペス。グランツーリスモフリークのセバスチャン・ロウブはレース直前までGT6でトレーニングしていたみたいですよ。

お馴染みのマンタ、スバル、LFAも素晴らしい走りを見せてくれました。マンタがホームストレートに現れるとスタンドで観戦する多くの人が起立し歓声をあげ、ニュルブルクリンク全体が謎の一体感に包まれます。スバル WRXはテスト参戦した予選レースのVLN2でアクシデントに巻き込まれ、満足にテストすることができなかったにも関わらず、SP3Tクラス1位の座を奪還。モリゾー選手の参戦がないとちょっと淋しいGazoo RacingのLFA Code Xはクラス優勝を果たしました。

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SCGの一発の速さに驚かされた人も多かったはず。 この謎のマシンの正体は2011~2012年にP4/5 Competizioneで参戦していたチームの新開発の車両でした。もともとナンバーを取得して公道を走行するのが目的のマシンなので、現在「#RoadtoLeMans」と題して公道を走行中。

キャンパーは昨年に比べ少ないように感じました。しかし、コースサイドで年に一度の祭りを心の底から楽しむ多くのニュルブルクリンク村の住人に出会いました。プランツガルテンでの取材を終えシャトルに戻った時に出会ったコチラの少年。我々が戻る前にシャトルのドライバーに正体を聞いていたのか、カメラを向けるとご覧の満面の笑み。

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マーシャルの仮設トイレにはご覧のジョークが貼られていたり、お馴染みのコースサイドの、仮設にもほどがある仮設トイレが今年も登場。このトイレを実際に使用している人を見たことがない私はある意味幸せなのかな?

世代や人種を越えて受け継がれていくニュルブルクリンクの魅力を感じた一瞬でした。

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チーム撤収日の翌日、我々はニュルブルクリンクから1時間半の距離にあるスパ・フランコルシャンに向かいました。名物高速コーナー「オールージュ」は何度見てもそのスケールの大きさに驚かされます。

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GTアカデミーオンライン予選Rd.3の舞台としてランカー達のタイム更新のアツいスポットとなってますね。

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トヨタレーシングを筆頭としたWEC・ELMS車両のテストが行われている中、昨日ニュルブルクリンクで見かけたMarc VDSの25号車の姿も。今年はニュル24hとルマン24hのインターバルが開いたとはいえ、レーシングチームにとっては過酷な耐久月間が続きますね。

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6月13日には伝統のルマン24時間レースが開催されます。GTアカデミーのオンラインファイナルラウンドも6月2日にオープン! もうお分かりですよね?アップデートをお楽しみに!

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