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モーターファンフェスタ & D1GP in 富士スピードウェイ ‐ 会場レポート
Posted by | April 30, 2016

先日富士スピードウェイを舞台に開催された2つのイベントレポートをお届けします。『2016 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES Rd.2 FUJI DRIFT』が4月23日に、翌24日に『Motor Fan FESTA Fuji Speedway』が開催されました。

『自動車産業 50年の歴史』

日本の自動車史を振り返ると、今年2016年に50年の節目を迎えるものごとがとても多く存在します。「トヨタカローラ」と「日産サニー」がともに50周年を迎えました。日本の大衆車として経済と国民の生活向上に貢献し、大きな存在感を放った2台です。時代は変わり、トヨタは現在も「カローラ」を製造しているもの、「プリウス」「アクア」といったニューフェイスが急成長。いっぽうの日産は「リーフ」という量産EVを生み出すに至っています。
そして富士スピードウェイも今年で50周年のメモリアルイヤーを迎えます。1966年に開業時に建設された名物「30度バンク」は1974年に消え去ります。2005年には大規模改修で安全面が大幅に向上した現在のレイアウトに生まれ変わりました。

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私自身も取材で日本国内の数々のサーキットを訪れていますが、富士スピードウェイは「いつ来ても綺麗だ」と感じるサーキットです。それは比較的新しいサーキットだからではありません。きめ細やかな施設のブラッシュアップを毎年のように施し、テーマパークやホテルを思わせるホスピタリティで来場者を迎え入れます。それは些細なことなのかもしれませんが、モータースポーツを家族連れで楽しむためには大切な要素のヒトツだと私は思います。小さな子供の世代までが楽しさを共有できるのは素晴らしいことです。(豆知識ですが富士スピードウェイのトイレはとにかく綺麗なのです。場内の多くのトイレにウォシュレットも完備されています。世界で一番クリーンなサーキットかもしれませんね。)

『モーターファンフェスタ in 富士スピードウェイ』

今年で創刊90周年を迎えた「MotorFan(モーターファン)」を筆頭に、国産車、輸入車、F1、モータースポーツ、チューニングカー、ドリフト、ドレスアップカー、2輪、ありとあらゆるモータリゼーションに関連する専門誌を長期にわたり出版している三栄書房。その主催で開催されたイベントです。日本以外の方には出版社の名前を聞いてもピンと来ないかもしれませんが、今年で35周年を迎えたカスタムチューニングカー雑誌の老舗「Option(オプション)」を始め、YouTubeの動画「MHヒルクライム」で世界的にその名を知らしめた「Motorhead(モーターヘッド)」等を発行している出版社といえばピンとくる人がいるかもしれません。
今回のイベントではそれぞれの雑誌に関連する国内外の車両の展示やデモランに加え、オーナーズクラブやドリフトチーム、読者のマイカーでのパレードランと、ありとあらゆるジャンル車種を網羅したラインアップが集結。
『ツインシャーシ』とも呼ばれるその特異な構造から幻のF1マシンと呼ばれる「ロータス88」、コリン・マクレーがドライブした「スバルインプレッサWRカー」、今年注目の最新のGT3マシン「BMW M6 GT3」など、歴史に名を残す名車から最新モデルまでが勢ぞろいしました。

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そういった名車の隊列の中に、ド派手なLEDライトと大量のスピーカーを装備したミニバンや、レストアされた旧車も並んでしまうのがこのイベントのすごさですね。突き詰めると飛び抜けたものを作り上げてしまう日本人ですから、カスタムカーに関しても、それぞれのジャンルの頂点といえるクルマがグリッドやピットに並んでいます。バリエーション豊かな雑誌を出版しているからこそ成立する圧巻のイベントだと再認識しました。

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レースカー、カスタムカーばかりではありません。国内外の自動車メーカーのブースではさまざまな技術革新を解説するスペースが設置されています。マツダブースでは先代のNCロードスターと現行のNDロードスターのフロントバンパーを並べ塗装技術の進化「匠塗り(たくみぬり)」を手に取って体感することができました。
オーナーズクラブのスペースでは、同じ車種ながらも1台1台すべてにオーナーのこだわりが感じられます。おっと、この「R35 GT-R NISMO」は素敵なリバリーが施されていますね。ボンネット周辺の傷痕で判断するに、頻繁にサーキットランをされている証ですね。ニュルブルクリンク周辺ですと、グランツーリスモのハチマキを装着しているオーナーを見かけることがありますが、東京を走っていてもマイカーをグランツーリスモの定番カラーともいえるレーシングモディファイ仕様のリバリーを装着しているクルマとすれ違うことがあります。グランツーリスモ愛を感じる瞬間ですね。

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リバティーウォークのオーナーが集まるブースを訪れた時に不思議な感覚を覚えました。このワークスフェンダーと呼ばれるリベット留めフェンダーの原点こそ、1970年代から1980年代にかけて富士スピードウェイで人気を博した「富士グランチャンピオンレース(通称グラチャン)」のアイデンティティなのです。サーキットが近代的な趣になり、ワークスフェンダーを装着するクルマが「ハコスカ」や「ケンメリ」から「R35 GT-R」や「ウラカン」といったハイパフォーマンスカーに様変わり。その中にたった1台だけ時代を遡るこちらのブルーの「ケンメリ」はルーツを静かに主張してるかのように見えますね。

富士スピードウェイのホームストレートを100台以上の名車で埋め尽くしたグリッドウォークは、残念ながら濃霧の影響で視界数メートルの世界での実施となってしまいました。でも雨や霧はある意味で富士スピードウェイらしさの象徴ともいえますね。観客動員数は生憎の天候ながら21,712名を記録しました。

 

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『2016 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES Rd.2 FUJI DRIFT』

D1GPは今年で15周年を迎えます。今回のレイアウトは数々の名勝負を生んだペアピン逆走区間が5年ぶりに復活。国際サーキットを逆走で使用することはランオフエリアの設計や路面のカント的に珍しいことなのですが、D1GPで富士といえば逆走というイメージを持つ方も多いと思います。その証として『グランツーリスモ6』のオープンロビーでも時折「富士D1逆走区間」というテーマのルーム名を見かけることがありますね。シーズナルイベントのドリフトトライアルでも逆走区間を設定したいところなのですが、さまざまなハードルがあり実現できていないのが実情です。100%の安全が保障されているバーチャルならではのイベントとして実現させてみたいですね。

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今回の『FUJI DRIFT』、単走と追走を共に制したのは齋藤太吾選手。D1GP史に残る宿敵として互いに一時代を築いている齋藤選手が川畑真人選手を破り開幕2連勝を果たしました。

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ファイナル以外にも今回は見所はありました。多くの人をアツくさせた対戦カードはこの2人だったといってよいでしょう。

ここ数年、追走トーナメントに進出することが減りスランプに陥っていた『ノムケン』こと野村謙選手が、追走トーナメントへ久々の進出を果たしました。その相手は現代のドリフト界におけるスター選手でもあり先日世界最速ドリフトのギネス記録Fastest vehicle drift(最速乗り物ドリフト)」を樹立した川畑選手。

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テール4灯のアイデンティティの流れを汲む、4ドアの「ER34スカイライン(エンジンは2JZ)」と、スカイラインのネーミングと決別し進化を遂げた「R35 GT-R」対決です。まさに、ドライバーとマシンの新旧スター対決の実現に観戦エリアとライブストリーミングは強烈な盛り上がりをみせました。結果としては川畑選手が駆る「R35 GT-R」に敗れましたが、昨シーズンを最後に引退することも視野に入れていたという野村選手のアツい走りを見てしまうと、まだまだ現役を続けて欲しいと願わずにはいられませんね。

東京オートサロン2015の会場で開催されたレーシングドライバーによる『グランツーリスモ6』対決にも登場してくれた今村陽一選手(トヨタ86)は、昨年まで搭載していたNASCARの「カムリ」のV8エンジンから、今期はFJクルーザーのV6エンジンに換装しサイズダウン。フロント重量の軽量化を図りました。そしてわずか投入2戦目で4位入賞。ドリフト競技の世界では「86」や「BRZ」のマシン開発に苦戦しているチームが多いだけに、今後の活躍を期待したいですね。

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そして「BRZ」でドリフトといえばこのドライバーを忘れてはいけません。先日『GT Explore Studio(ロサンゼルス)』にレーシングスーツ姿で登場した写真がポストされ話題となった吉原大二郎(DAI)選手。Formula Drift USAで上位フィニッシュする姿をまた見たいですね。完全復活を待ってます!

 

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