PIT STOP

フレッシュマンたちの24時間レース(最終回)
Posted by | July 4, 2014

ニュルブルクリンク24時間レースが終わって2週間が経ちました。日本はあと2~3週間ほどすると蒸し暑い梅雨が明け、連日30度超える夏本番を迎えます。ふとカレンダーを見ると今日は金曜日、時間は午後2時。ドイツとの時差を計算すると、ちょうど2週間前の今頃は、Top30予選になんとか間に合わせようと必死にクルマを修理していた時間です。

コース、ラウンジ、スーパーへの買い出し、ホテルの間を何度も往復してパドックを忙しそうに駆け回っていた新人くんたちも、今はもう日常に戻っています。エアコンの動作音、キーボードやマウスの音、時折り誰かの話し声くらいしか聞こえないオフィスで黙々と仕事をしている彼らの姿を見ると、朝から晩までレーシングカーの爆音と、ピットインの警告音しか耳に入ってこなかった日々が、なんだか遠い昔の出来事のように感じます。

人によっては初めてのレーシングチーム体験だったり、初めての海外だったりしたわけですが、そんな彼らの目から何が見えたのか、何を思ったのかとても興味があったので、フレッシュマンシリーズの最後は、彼らの目が捉えた一瞬の画像とともに、レースを終えた後の感想を語っていただきました。

 

石岡 麻里菜さん(カーモデリングチーム):

今回初めて、ニュル24時間レースのサポートチームとして参加させていただき、リアルなレースの現場に、とても衝撃を受けました。死と隣り合わせの世界で走るドライバー、必至で作業するメカニック、ピットでの張りつめた空気。それとは正反対に、コース外のキャンプサイトでは、レースを見に来た陽気な観客たちがお祭り騒ぎで、とてもフレンドリーな雰囲気でした。

私は、サポートチームのホスピタリティー班のメンバーとして、自分にできることを一生懸命にこなし、後は出走していくドライバーが無事に戻ることを、ただ祈ることしかできませんでした。

ニュルブルクリンク到着の翌日には、山内さん運転の助手席で、実際にニュルの北コースを一周することで、そのスピード感、恐怖、気持ちよさなど、いろんな感覚を知り、レースの世界に少しだけ近づくことができたような気がしました。

これは緊迫したピットで、出走直前の山内さんの後ろ姿を慌ただしさの中で必死に写した、とても印象深かった一枚です。

これは緊迫したピットで、出走直前の山内さんの後ろ姿を慌ただしさの中で必死に写した、とても印象深かった一枚です。

 

北島 美月さん(ランドスケープデザインチーム):

今までコースの取材でいくつかのコースを訪れましたが、レースの真っ最中にサーキットに入るのは初めてでした。まずはその賑やかさに驚かされました。キャンプサイトにはレースが始まる何日も前からテントが張られていて、観客は大音量で音楽を流しながらバーベキューをしていたり、日光浴をしている。スポーツ観戦と言うよりはフェスティバルという印象を受けました。しかし一方でドライバーやメカニックの皆さんは文字通り命を懸けて戦っている。そのコントラストがとても印象的でした。

レース中の時間は濃密で、様々な場所でそれぞれのドラマが人の数だけ進行している。あの場所にいる全ての人がレースの一部となっているように感じました。

そんなニュル24時間レースに匹敵するようなドラマや、その楽しみ方、胸が高鳴る場面をGTでもっと再現できたらと想像すると、たくさんの課題が湧き上がり、これからの作品作りがますます楽しみになりました。

そしてニュルブルクリンク滞在の全体を通して感じたことは、グランツーリスモが本当にたくさんの人たちに愛されているということです。実際にたくさんのGTファンの方々を目の当たりにして、感謝の気持ちでいっぱいになりました。同時に自分の仕事の責任と喜びを感じ、大きなエネルギーを得ることができました。

私はピットストップ中の撮影に挑戦しました。これは3回目の挑戦で撮った写真です。 人々の気迫に圧倒され、ピットレーンを走り抜けていく車に恐怖し、ようやくこの場所まで入り込むことが出来ました。しかし足を踏み入れるだけで精いっぱいで、構図などかまわず夢中でシャッターをきりました。

私はピットストップ中の撮影に挑戦しました。これは3回目の挑戦で撮った写真です。 人々の気迫に圧倒され、ピットレーンを走り抜けていく車に恐怖し、ようやくこの場所まで入り込むことが出来ました。しかし足を踏み入れるだけで精いっぱいで、構図などかまわず夢中でシャッターをきりました。

 

竹元 彰吾さん(カーモデリングチーム):

夜のレースがとくに印象的でした。真っ暗な山の中、クルマの音だけが響いていて、本当に24時間走るんだなあ、と当たり前のことを実感しながら、なんだか感動していました。

レースが始まってからは、緊張感と寝不足から、しんどく感じることもありましたが、終わってみればなんでもなかったなと。どれもこれも楽しい思い出になりました。

メカニックの方が、とても真剣に、丁寧にステッカーを貼っている姿が印象的でした。

メカニックの方が、とても真剣に、丁寧にステッカーを貼っている姿が印象的でした。

世界最大の草レースだという話を耳にしましたが、観客あってこそのレースなんだなと納得しました。メディアベストを着て、カメラを持って歩いているとあちこちで観客に声をかけられるのですが、みんな個性的で、その雰囲気は現地に行かなければ感じられないものでした。

世界最大の草レースだという話を耳にしましたが、観客あってこそのレースなんだなと納得しました。メディアベストを着て、カメラを持って歩いているとあちこちで観客に声をかけられるのですが、みんな個性的で、その雰囲気は現地に行かなければ感じられないものでした。

 

熊谷 貴明さん(カーモデリングチーム):

ニュルブルクリンクはたくさんの人が様々な形でレースに参加していました。24時間、危険と隣り合わせの中で走り続ける人、アクシデントで大きく壊れた車両を徹夜で修理する人、夜通しお酒を飲みながら観戦する人、参加する形はそれぞれだけど本当にたくさんの人がいて、車を動かすのも盛り上げるのも全ては人の力なんだなと思いました。

そして、最初に山内さんから、「今回の旅は皆さんへの贈り物です。ここで感じたことをなにかひとつでも持ち帰ってくれれば、それだけで大きな価値がある」との言葉がありましたが、その贈り物を自分の力にして、今後の仕事に活かしたいと思いました。

大勢の参加者で埋め尽くされたスターティンググリッドにて。

大勢の参加者で埋め尽くされたスターティンググリッドにて。

 

以上、フレッシュマンチームを代表して4名の皆さんに登場していただきました。今回、ニュルブルクリンク24時間レースを通じて彼らが見て、感じたことは、きっと将来のグランツーリスモにとってかけがえの無い財産になっていくことでしょう。

最後に私から一枚。
長かった24時間レースのゴールまであと1時間くらいの時間帯です。あとたった6、7周走れば完走できるにもかかわらず、クラッシュやトラブルでリタイアするチームが続出していました。我々のピットでは、ドイツ人、日本人の混成となるシュルツ・モータースポーツのチームメンバーが、フランス人ドライバーの中では最高位を快走するジョーダン・トレッソンの無事の帰還を祈ってモニターをみつめています。

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