PIT STOP

REAL GT LIFEの答え合わせ
Posted by | July 11, 2014

フリープラクティスを前にシュルツモータースポーツ、ポリフォニー・デジタル、そして日本のモータースポーツ界の名門「RS中春」を交えたミーティング。

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RS中春はレーシングカーのメンテナンスや開発を専門とする凄腕集団。昨年もGT-R GT3のエンジン交換作業を二度も行ったプロフェッショナル。

欧米圏で唯一のGT-R GT3のカスタマーであるシュルツモータースポーツ、バーチャルシミュレーターのフロントランナーのポリフォニー・デジタル、レーシングカーメンテナンスのRS中春という異色の組み合わせは、互いに思わぬ発見を見出すことができる。

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これはRS中春の荻野さんからお聞きした話だが「日本のレースはライブでのテレメトリー管理が禁止されているので、現在ポリフォニー・デジタルが行っているライブテレメトリーシステムはメカニックとして非常に助かる」とのこと。

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これにはポリフォニー・デジタルのクルーも驚きで「え? こんな簡単に出来ることが日本では禁止なんですか?」という反応。ハイコストだった時代の名残に取り残された日本独自のレース文化を感じた一瞬であった。

さて、いよいよマシンがサーキットを走り出すフリープラクティスが開始される。我々には有り難い事に専用のメディアシャトルが用意されていた。メルセデスのバンだが良く見るとフロントウィンドウには「Gran Turismo」のハチマキが貼り付けられている。

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そして乗った瞬間に思わず!「あぁぁ!これ車内視点だ!」と興奮を抑えられない!(スリーポインテッドスターの商用バンですけどね)

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どこにでも連れてってくれるドライバーのステファン。ちと話が長いのが難点だが、コースマーシャルとも上手く話し合って、可能な限り我々の歩く距離を減らしてくれる頼れるドライバー。

この日以降はユーザーチーム以外にも、ポリフォニーデジタルのフレッシャーズの皆さんと行動をすることが多くなった。私含め基本的に初めてのニュルブルクリンクというメンバーがほとんどで土地勘はない。しかし私はバーチャルの世界のニュルブルクリンクで数千枚撮り続けてきた経験があるので「とりあえず何番ポスト周辺で下ろしてくれたら、あそこまで徒歩で移動して、あの位置からどれくらいのレンジのレンズで撮影すれば想像していた写真が撮れる」というバーチャルの世界の知識を現実に置き換えてドライバーのステファンにオーダー。それで完璧に辻褄が合う!

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Flugplatzに降り立てば、まさにソコはフォトモードの世界。

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撮影時刻、天候、シャッタースピード、F値、フォーカスエリアを実際に撮影した近い値に設定すればご覧の通り

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Gran Turismo 6

季節の関係で緑が生い茂っていたりする差はあるもののこの再現度。

私のプレイスタイルは以前にも紹介したが、ドライビングテクニックは上手くはない。ハッキリ言って下手である。ただしフォト機能に関しては途方もない量を撮影し徹底的に遊び尽してきた。

グランツーリスモのフォトモードにさらなる多機能化を望む声もあるが、カメラの知識が浅いプレイヤーでも簡単に撮れるということも重要。それでも現状でこれだけの世界を再現可能なのである。ちなみに画像共有サイト「Flickr」にはグランツーリスモで撮影した写真をアップロードするグループがある。

グランツーリスモで撮影したままのオリジナル画像を投稿するグループ
Gran Turismo 6: Perfect Photomode
https://www.flickr.com/groups/gt6perfectphotomode/

レタッチ専用のグループ
Gran Turismo 6 Fine Arts
https://www.flickr.com/groups/granturismosixfinearts/

もはやここまで来ると写真撮影用のゲームといっても過言ではないくらい、素晴らしい写真が沢山アップロードされている。過度なレタッチには否定的な意見もあるが「あくまで素材を撮影する道具としてのグランツーリスモのモード」と捉えれば、レタッチ職人による一つのムーブメントといえるだろう。

実体としてはバーチャルの世界でしか撮影をした事がないプレイヤーが多いはずだが、いざサーキットに来て初めての流し撮りに挑戦させてもきっと上手くいくはずだ。実は私もグランツーリスモのフォトモードに触れるまではサーキットでの撮影どころか、サーキットに訪れたこともなかった。そんな私もかれこれ3年でバーチャルと現実の距離感を縮めて現在に至っている。

グランツーリスモはレーシングゲームとしてイメージが強いが、カメラ好きにも触れて欲しいタイトルでもある。初めて訪れるサーキットでは事前にグランツーリスモのフォトモードでバーチャルのロケハンをしてから持っていく機材を決めるくらい、私はグランツーリスモのフォトモードを現実の撮影補助道具として重宝している。

さて、話しは現実に戻りニュルブルクリンクの観戦スタイルについて。

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フルーグプラッツのコースサイドで観戦しているコチラの2名は、ライブストリーミングを見ながらジックリと観戦するタイプ。

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こちらグループは「イメージ通り」ともいえるパーティースタイル。しかし予選の段階で力を出し尽くしたのか、決勝日にはサンタクロースのコスチュームを誰一人着ていなかった。耐久レースだが情熱だけはスプリント系軍団。そのパッションは分かるぞ!

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そしてニュルブルクリンクギャラリーフォトでは毎年恒例となっているコース脇オブジェクトを発見!

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「仮設過ぎるトイレ」今年もありました。見つけられてチョット嬉しいです。

便器の上に設置してある黒い袋は、昼の間に太陽光に当てておけば夜になっても暖かいお湯を浴びる事が出来るキャンパー向けのシャワーパックだが、このような使用法があるとは驚きだ。真似はしたくないけど。

フリープラクティス終了後、予選開始と共に「定番」だけど一度は必ず行っておきたいKarussellへ。例によってステファンのガイドで移動。そしてここでグランツーリスモの「ファン」として心温まる出来事が発生した。

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突如「Gran Turismo仕様」のメルセデスのバンを止める一人のギャラリー。

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どうやらフロントウィンドウに張付けてある「Gran Turismo」のハチマキステッカーが欲しいらしいのだが「我々は持ってないよ。取材だから。」と伝えると「僕はグラツーリスモのファンなんだ!ヨロシク!」と鼻息荒く去っていった。

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ポリフォニー・デジタルのクリエイターに聞いても「こんなにグランツーリスモのバナーが沢山あって、ファンがこうやって沢山いて、その一部分を作っている自分としては何だか不思議な感じ」というとても新鮮な感想。

そして遂に世界一有名なコーナーと言っても過言ではないカルーセルに到着。実はこの石畳の生い立ちは排水溝だったというのだから驚きだ。溝落とし走法というか溝落ち走法。何処かで聞き覚えのある走り方だ。日本人的には豆腐店かな。

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この位置からすり鉢状のバンクから飛び出す車両を撮影するのだが、今年は全車抑え気味なのか派手にジャンプしながら走行するクルマは少なかった。

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シュルツGT-Rが登場

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Gran Turismo 6

皆さんもGT6に新規追加されたISF CCS-Rで再現してみませんか?

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バーチャルのコース環境を19:30、天候20%に設定して、実際の撮影データ「250mm、1/800sec、F6.3、ISO320」に限りなく近い数値で撮影すれば、予選1回目のGT>REALの世界が広がるかもしれませんね。

カルーセルは定常円で旋回しているため、流し撮りにも最適。ポリフォニーデジタルのクルーも流し撮りを試みる。

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グランツーリスモのフォトモードで身に付けたノウハウを活かせば、現実の流し撮りもかんたん。

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車両開発を支えるニュルブルクリンクだが、ココで私が気付いた一つのポイント。

前日のロケハンでポリフォニー・デジタルのフレッシャーズの1人と会話した時に「自分はモータースポーツを生で見るのも初めてだし、こうやって写真を撮るのも初めて。」「日常で一番楽しい事は会社のモニターの前で仕事をすること」そんなギークなことを最初に仰っていた人が、この頃になると一心不乱にシャッターを切る。そんな光景を目の当たりにし、ニュルブルクリンクという場所は車両だけではなく、人間の価値観という要素も育てるのだなと感動した。今回の旅で一番心に残る瞬間でもあった。

各自満足の行く撮影を終えたところで小雨がチラつき始めた。

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プランツガルテンに移動しようとステファンを呼び出す。待っている間に同行していた七澤さんがカルーセル手前のコーナーを覗いている。

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まさにこの瞬間、この数100m先で山内さんがドライブしているシュルツGT-Rに起きていることなど我々はまったく知るはずもなかった。しかし山内さんと長年の付き合いのある七澤さんだけが感じ取る悪い予感があったのか。

そして何も状況を知らずステファンのシャトルに乗った途端に着信。

「テレメトリーは5速に入った状態で途切れて無線も通じない。」

「どこかで止まってるがマシンとドライバーの状態がまったく分からない」

入ってきた情報に全員が絶句。深刻そうな顔をしながら全員が日本語で会話するのでシャトルのドライバーのステファンが戸惑う。シャトルバスの中で全員が顔を青ざめる。

次第に状況が掴めてきてラウンジに戻る頃には山内さんの無事が確認されるも、痛みが残っているので検査のために救急車で病院へ。

つい先程まで我々の被写体として走っていたGT-Rの無残な姿。しかしあの衝撃からドライバーを守ったのは大柄で堅牢なGT-Rであってこそなのか。そしてメカニック達の戦いが始まる。

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不足しているパーツが多くて作業が滞る。途方に暮れていると、Gazoo Racing、STIなどの日本からのチーム、そしてTeam RJNのクルーが「何か俺達に手伝えることはないか!」とメーカーの垣根を越えたサポートを名乗り出てる。ライバルでありつつも、苦境に陥った時はお互い様という協力関係が素晴らしい。

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シュルツモータースポーツ、そしてRS中春の先の見えない暗闇の作業が続く…。

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っとカッコヨク今回のPartを〆たいところですが「こういうことがあるとメカニック魂が燃える」という男気溢れるRS中春さん。その代表の荻野さんですが「最近の日本モータースポーツはメカニックの高齢化が深刻で、車体を持ち上げて固定しておくゲタが低いと下に潜った時にマシン裏の細かい部分が見えないから、年寄りのメカニックが多いチームは車体を持ち上げるゲタの高さが高いんだよねー」という爆笑トークも聞かせていただいた。トークも面白いRS中春さんでした。

 

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